>  > -ダメ経営者と言われないための人事労務管理の基本知識-第38回

起業に関する情報

-ダメ経営者と言われないための人事労務管理の基本知識-第38回

AVH事務局 2016.10.12

第38回:【4つ実践力 -対話力(例2)- 】
社会保険労務士法人デライトコンサルティング
代表社員 近藤 圭伸

◆いつも会社の不満を言う部下との対話

田中社長:山田君、会社への不満を飲み会の席や休憩時間によく耳にするんだけど。よかったら私にその内容を聴かせてもらえないかな。13時から会議室でどうかな。

     →率直に経営者から切り出す。部下が不満を言っている場面をよく観察している。

山田君 :はい。

《その後会議室にて》
田中社長:不満って具体的にどんなことなのかな?
山田君 :たくさんあって何から話していいか分かりませんが。そうですね、最近よく思っていることですが、会社の販売方針が分からないので、自分としてもどのように営業してよいか迷ってしまうんです。

田中社長:そうなんだ、どう動いてよいか迷ってしまうんだね。確かにわが社には明確な販売方針はないね。営業マン個々人に任せている部分が多いね。

     →傾聴し部下の考えに共感的に理解を示す。

山田君 :方針がないと本当に売りにくいんです。ロスも出ます。こんな状態で人事評価されるのもどうかと思います。
田中社長:確かに会社として販売方針を持つべきだね。山田君の言うことにも一理あると思うよ。会長は今、そのことについて考えているみたいだね。山田君の言いたいことは本当によく分かったよ。そこで、山田君にお願いしたいことがあるんだけど。

     →部下の考えを素直に承認

山田君 :何でしょうか?
田中社長:田中君にわが社の販売方針と販売戦略について提案して欲しいんだ。

山田君 :それは経営者がすることなのでは。なぜ、私がするんですか?
田中社長:山田君は販売の第一線にいる。顧客の動向や購入動機については、だれよりも知っているはずだね。だから、現場サイドから提案してほしいんだ。その提案が採用されたら田中君の評価も上がるし、不満は会社への貢献に変わると思うんだ。

     →部下の働きぶりをさらに承認
     →上司からWIN―WINのアプローチ

山田君 :わかりました。何とかやってみます。課長からもアドバイスいただけますか。
田中社長:よし、やってみよう。全面的にバックアップするから。

    →部下のモティベーションの向上。

《2週間後》
山田君 :社長!新しい販売戦略ができました。この売り方なら同業他社と競争する必要もありません。いかがですか?
田中社長:これはすごい。よくこれだけの発想ができたね。競争せず勝てる方法だね。すばらしい。・・・・

    →経営者と部下がこれまで全く気づかなかった販売戦略が手にはいった。また、経営者と部下の揺るぎない信頼関係の構築ができた

【この事例の対話の成果】

 経営者の承認によって部下をやる気にさせ、これまでだれも気づかなかった、全く新しい販売戦略を見出すことができた。

あいち産業振興機構