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-ダメ経営者と言われないための人事労務管理の基本知識-第37回

AVH事務局 2016.09.20

第37回:【4つ実践力 -対話力(例)- 】
社会保険労務士法人デライトコンサルティング
代表社員 近藤 圭伸

◆長時間残業する部下との対話

田中社長:山田君、君がたくさん担当をもってがんばってくれているのはわかっているんだけど、前月の残業時間は100時間を超えてしまったよ。これには私もかなり責任を感じているんだ。

     →部下の頑張りを承認した後、観察によって具体的な残業時間を伝えている

山田君 :ええ、わかっています。でも、元気ですから大丈夫です。
田中社長:いや、そうはいかないよ。法律では、残業が100時間を超えて本人が希望したら、会社は医師の面接指導を受けさせる義務があるんだ。私は、山田君が希望するかしないかに関わらず、面接指導を受けて欲しいと考えているんだけれど、山田君、体調は本当に大丈夫?

     →面接指導の知識を伝え、部下の健康を気づかっている

山田君 :確かに、毎日3~4時間の残業が続いて休日も出勤となると、体は疲れますね。でも、今人手不足で私がやらないと仕事が回りませんから。心配しないでください。
田中社長:残業が100時間を超えると、健康障害のリスクが一気に高まるんだ。脳や心臓の病気にかかってしまうこともあるんだよ。
     
     →健康管理に関する知識を伝え、健康障害のリスクを共有

山田君 :わかりました。そこまでおっしゃるのでしたら一度受けてみます。
田中社長:来週、産業医の先生が会社に来るから、総務に連絡して予約を入れておくよ。後で申請書を書いて私に提出してくれるかな。
山田君 :はい、わかりました。よろしくお願いします。
田中社長:ところで、山田君の仕事の状況や仕事のやり方を詳しく教えてくれるかな?
山田君 :はい。仕事の状況は「・・・」、仕事のやり方は「・・・」です。
田中社長:うん、うん、なるほど、それは時間がかかるはずだ。山田君は今の仕事のやり方をどう感じているんだい。
山田君 :はい。今の仕事は私がしなくてもよい部分が、約30%くらいあります。誰か他の人に任せたり、外注を使っても十分できる仕事だと思います。
田中社長:そうか、外注もいいけど、仕事のやり方を「・・・」のように大きく変更してみてはどうだろう。受け持ちの仕事も1つ減らそう。

     →部下の仕事の状況とやり方を相槌しながら傾聴し、仕事のやり方に関しフィードバックしている(積極的傾聴)

     →経営者からWIN―WINのアプローチ

山田君 :なるほど、そうですね。私もそのやり方のほうが会社にとってもよいと思います。今まで気づきませんでした。
田中社長:このやり方のほうが会社も生産性が上がるだろうし、山田君もいい仕事ができるはずだ。やってみよう。

     →新しい仕事のやり方の発見

山田君 :ありがとうございます。がんばります。

     →部下のモティベーションの向上

【この事例の対話の成果】

 新しい仕事のやり方が発見でき、部下はますます仕事に対してやりがいをもつようになった。また、大きく時間外労働が削減でき部下の健康を守ることができた。経営者は部下の姿をみて、自信を深めた。

あいち産業振興機構