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ベンチャ事始め

あいちベンチャーハウス、卒業企業について -成長のために-

AVH事務局 2016.05.20

あいちベンチャーハウス IM 中野 喜之

 あいちベンチャーハウスも開設後14年目の運営に入っています。
 第1期生ともいわれる平成15年入居者から、すでに100社以上の卒業生がそれぞれに本拠地を定め活躍されています。
 今回は卒業生から提供をいただいたデータをもとに、企業成長についてご紹介させていただきます。

 あいちベンチャーハウスの卒業企業37社の方々から、現在の売上、従業員数をお教えいただきました。
 通常ですと中々教えていただけない現況をお教えいただき、有難うございました。この場を借りましてお礼を申し上げます。

 あいちベンチャーハウスが発足した平成15年当時はIT企業がブームともなっていた時代でした。多くの入居希望者がベンチャーハウスに入りたいと、募集18室に対して54社の応募があり3倍の競争率から選ばれた方々が入居されました。
 その後も途切れることなく入居していただき、すでに卒業して10年が経過している企業もありますが、確実に成長されている姿がみうけられます。この表には出ていませんが、お話を伺うと、事業所も名古屋だけにとどまらず、東京やその他海外にも支店を構え、愛知県から東京、世界にマーケットを広げているという企業さんもいらっしゃいます。
 まとめた結果が、こちらになります。

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 入居される方は創業と同時期に起業される場合が多いですが、卒業企業の県内の定着率は7割もあり、また推定ですが生存率も8割近くになっています。
 最初立ち上げた事業モデルを継続されている企業、創業時とは全く違う事業モデルに取り組んでいる企業もありいろいろですが、共通するのは常に何年か先を見て、新たな事業の見直しを継続的にされる企業さんが多いということです。

 売上規模では単純に総計で、全37社で44億7千万円、1社あたり1億2千万円。従業員数は1社あたり平均9名となっています。従業員数は、情報通信業のほぼ平均と同様です(2015年版新規開業白書、日本政策金融公庫)。

 企業のいわゆる「生存率」は、こちらの資料を使われる場合が多いようです(2011年版中小企業白書第3-1-11図)。
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 あいちベンチャーハウスのようなインキュベータで多くの支援が受けられる環境にある場合は、独自で開業するよりその生存率の高さは、別の資料で、古いデータになりますが、財団法人日本立地センターが2005年にまとめられた「IMによる企業支援の成果」でも明らかになっています。
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 逆に自分で自信をもって、まい進し堂々と成功される方も数多くいらっしゃいますが、起業家の77.8%はお金、45.6%の方は売り先(数字は2015年版新規開業白書、日本政策金融公庫)に不安をもって事業を始めておられます。

 そういった際に、身近にサポートをしていただけるマネージャー、コーディネーター、専門家とネットワークを確立できる場所での起業は、負担が少し軽くなると考えていただければ分かりやすいのではないでしょうか。

 多くの創業企業は、始めたのは良いが、どうして継続していったらいいのか分からない。次にどんな手を打ったら、事業が変化していくのか分からない。分からないだらけの中で、無我夢中で取り組んでいる方が多いと思います。自分自身経営者の時代を振り返っても、壁にぶつかったとき少しでもアドバイスをもらえる方が、そばに居てくれれば会社の存続も10年で途切れることはなかったのではと思います。

 もちろん環境というのはいつどう変化するか分からないですが、間接的な要因に左右されるのではなく、あくまでも自社の強み、他社にない独自な製品・サービスをもって、社長の強力なリーダーシップ、営業力、組織力で、そういった要因に左右されない確固とした経営者になることが目標ではないかと思います。

 IT企業のクラスター化を目指してスタートしたあいちベンチャーハウスですが、ITといっても発足当時の状況とはまるっきり変わってきています。AI、VR、ビッグデータ、IoT等々、チャレンジできる技術分野、それに携わる機会は今後もどんどん拡大するということは、たやすく予想できます。
 そういった事業の立上げ時期にどれだけ真剣にやろうとする事業と向き合い、どのように経営をしていくかをしっかりと見つめることができる場所、それがあいちベンチャーハウスであると考えます。

あいち産業振興機構